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完璧ではないからこそ、育まれる関係性

  • 執筆者の写真: Nami Sakai
    Nami Sakai
  • 7月4日
  • 読了時間: 2分
A ceramic plate repaired with gold kintsugi lines on a marble surface, highlighting the beauty of imperfections in blue and white tones.
撮影 : Riho Kitagawa

金継ぎはそのひびを隠そうとはしません。


むしろ、その技法は割れた部分を丁寧につなぎ直し、器として再び使えるようにします。


傷を覆い隠すのではなく、金継ぎはその痕跡を受け入れ、新たな個性を引き出します。修復された器は、壊れる前よりも豊かな表情をまとい、独自の美しさを放つことさえあります。


人間関係も同じではないでしょうか?


友情、パートナーシップ、チームワーク。その道のりがいつも順調とは限りません。ひびが入り、すれ違いが起き、信頼が揺らぐ瞬間もあります。傷つけてしまったり、距離ができたり、歩調が合わなくなることもあるでしょう。


外から見れば、その傷跡は残っているかもしれません。けれど、内側では、それによってより強い絆が育まれているのです。


金継ぎで修復された器のように、手をかけて築き直された関係には、その過程が滲み出ています。うまくいかない時期や衝突があったとしても、それを乗り越えようとする意思と姿勢が、関係に深みを与えていくのです。


完璧さや見た目の美しさが重視されるこの時代に、私たちは忘れがちです。どれだけ手をかけ、向き合ってきたかという、その過程こそが本当の美しさだということを。


本当に価値ある関係とは、傷ひとつないものではなく、

何度も見直され、大切に整えられてきたものなのかもしれません。

 
 

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